しまなみ海道2017年09月04日 20:43

9月最初の土日に会社の山トモとしまなみ海道。
西荻ヒュッテで山の話をしていたはずが、なぜかしまなみ海道に行きたいねー、行こっかということで実現。

土曜日6時の新幹線で福山まで、そこから在来線で尾道へ。
初尾道だけど観光することもなくレンタサイクルでクロスバイクを借りる。

船でまず向島へ。道路のブルーラインを辿ればしまなみ海道を走れることになっている。便利。
お天気は良くて道は真っ直ぐ。快適に走り出して、最初に行きたかった岩屋山を飛ばしてしまう。気を取り直して立花食堂でランチ。庭にレモン足湯があってシュロの木っぽいものがあって南国雰囲気たっぷり。

次の因島ではブルーラインから少し外れて因島水軍城へ。「海賊の娘」の舞台だけに関連の資料がたくさん。子孫の人は鎌倉にいるんだって。水軍城から橋に抜ける道が上り坂がきつかった。

次の生口島では楽しみにしていたジェラート屋さんのドルチェ。観光バスも入る人気店で、かっこいいメットとピタピタ服を着たサイクリストの人たちも可愛らしくアイスを食べていた。

宿泊先は「輪空」。サイクリストの宿だけど、地元のお魚や野菜を使ったお料理がとても美味しかった。

翌日の日曜日も晴れ。
次の島の大三島はあっという間に過ぎて伯方島。伯方の塩で有名な島だけどこれもあっという間に通って大島。
アップダウンの道に心が折れそうになったけれど無事に最後の来島海峡大橋を渡って今治へゴール。
自転車を返してお風呂に入り、電車で松山に行って飛行機で東京へ。

初めてのサイクリングの旅は、思っていたよりも結構大変。考えてみれば当たり前なんだけど、橋を渡るときは必ず上り坂がある。山と違って終わりがすぐ見えるから頑張れるけれど、それでもだいぶ待たせてしまった。
それと、基本的にはみんな荷物を持たない。私たちは荷物を送らないでザックを背負って走っていたけれど、どうもそれは邪道らしい。サイクリストの宿では荷物を次の宿に送るサービスや洗濯してくれるサービスがある。
基本的には全て自分で持って歩く山ヤさんが見たら、これこそ邪道と思うかもしれないけれど、スタイルの違いなんだね。経済効果はサイクリストの方があるんだろうな。
あと派手派手なピタピタ服。お腹が出てるおじさんもピタピタ服を着ていたけどあれはどうなんだろう。

ともあれ自転車で走るのはとても気持ちが良かった。これからも走ろう。まずは多摩湖サイクリングロードかな。

劔岳2017年09月13日 18:59

山登りを始めたばかりの頃、劔岳に行った人から「カニのたてばいは怖かった。僕みたいに背が低いと足が届かないからね」と言われた。その人よりもずっと背が低い私は、カニのたてばいがどんなところかもわからないまま、怖くなく登るのにはどうしたら良いのか考え、クライミングを始めることにした。
そうしたらクライミング自体が楽しくなって、いつの間にか山登りから遠ざかってしまった。

で、ようやく剣岳。天気予報を見て金曜日に劔沢小屋に入り、翌日土曜日の朝4時に出発。心配していた渋滞は全然なく無事登頂。
上りも下りも全く問題なし(落ちないけどロープがあった方が安心だよねと思うところはあったけど)。天気は快晴。9時半には劔沢小屋に戻り、その後は山を見て過ごす贅沢な時間。
日曜日に立山三山を回ってゆっくり下山。尾根から見る弥陀ヶ原は絵本みたいに綺麗だった。

とりあえずクライミングを始めた目的を達成。
今回の山登りでわかったことは、私は山にいる時間が好きだということ。それは必ずしもクライミングである必要はなくてmountaineeringでもスキーでもOK。
何れにしても続けて行くためにはまずは健康でいること。そして安全管理。これからも楽しく続けていけるといいなー。

詐欺2017年09月16日 20:21

剣岳に行っている間に、実家の母が詐欺に遭った。

土曜日の朝、大手百貨店を名乗る電話があり、母のクレジットカードを使って不正に買い物をしようとする人がいる。親戚にそういう人はいるかとの質問。母が心当たりはないと答えて電話を切ると、しばらくして同じ人からやはり不正だったので警察に連絡したとのこと。

その後、警察を名乗る電話があり、不正をした人はどこどこに住んでいてこんな名前で兄弟がいてと、老人が好きそうなまことしやかな話をしたらしい。

その後、全国銀行協会を名乗る電話があり、キャッシュカードを新しくする必要があると言われ、全国銀行協会の人間が自宅に行くのでキャッシュカードを渡して欲しいとのこと。

しばらくして全国銀行協会を名乗る若い男がやってきてキャッシュカードを持っていき、全国銀行協会宛ての金融犯罪報告書のような書類を置いていった。
その後に全国銀行協会を名乗る電話があり、言う通りに書類を書くよう指示。言われた通り、銀行名、支店名、口座番号を記入。すると新しい暗証番号が必要だと言われ、新しい番号を教えたとのこと(恐らくこの時に現在の暗証番号を巧みに聞き出したと思われる)。

月曜日の朝、母からその話を聞き、即座に詐欺だをわかり、各銀行に電話。キャッシュカードを止めたけれど、土日月の3日間で既に数百万円が下ろされていた。警察にも連絡したけれど、被害届を出しても、まずお金は戻ってこないとのこと。それに被害届提出のために警察に何回も行かなければならず、高齢者には負担が大きいそう。

今回の件で、年の割りには確りしていた母が、騙されたことにショックを受けて落ち込んでしまった。確かに、名刺も持ってこない、どこの誰ともわからない人間にキャッシュカードを渡すことはありえないとは思うけれど、それはまだ騙されていない人間が思うこと。「これから全国銀行協会の人間が行く」と言われてから人が来たら信じてしまうものなのだろう。
私が山に行かず側にいれば防げたかもしれないと思うと本当に申し訳ない。

被害を防ぐためには知らない電話に出ないこと(今はそのための電話機もある)。そして信用できない人の話は信じないこと。万が一のために引き出し限度額を下げておくこと。まず疑いから始めなければならない嫌な世の中になった。

詐欺その22017年09月17日 22:55

詐欺にあってから落ち込んでいた母が新しい電話機や洗濯機を購入してようやく元気になった。やはり女は買い物で元気になる。

今回の詐欺を振り返ってどこで気がつくべきか考えてみた。

まず百貨店からの電話。「頼まれて買い物にきた人物がいる」「最近不正が多いので高額の買い物については確認している」と言われたらしいが、そもそも百貨店のカードでも本人がサインしないと使えないのだから頼まれて買い物にきて母のカードを使おうとしたというシチュエーションは間違っている。

その後の警察の電話。犯人が誰でどこに住んでいて兄弟はこんな人がいてという話をしたらしいが、警察がそんなことを教えてくれるわけがない。警察はそんなに暇ではない。それにそんなに流暢に話す警察官も少ないはず。

そして全国銀行協会の電話。「クレジットカードが不正に使われたので新規口座を作る」これは全く間違っている。クレジットカードが不正に使われたら、自分でクレジットカード会社に電話してストップする必要がある。引き落とし口座は関係ない。
そもそも一般の人は全国銀行協会の存在を知らない。うちに来た警察官ですら「これは架空の団体です」と言い切っていたので「いや、これあります」と私が訂正したくらい。

そして全国銀行協会の人間が書類を届けに行くというシチュエーション。全国銀行協会はメガバンクが持ち回りで会長を出している団体で、プロパーの人もいるにはいるけど極少数。個人の自宅を訪ねに行くほど人がいない。
加えて複数の銀行のキャッシュカードを預かって新規に口座を作るというシチュエーション。そもそも銀行口座を作るのは本人でないと無理。今はマネロンがうるさいので本人確認書類が絶対必要。
さらに新しい暗証番号を電話で聞くというシチュエーション。暗証番号は人に知られないようにするはず。

このように詐欺グループのストーリーは穴だらけ。でも実際には騙される人が母を含めて大勢いる。

「自分のカードが不正に使われそうになった」という事態に気が動転。「でも未然に防いでくれた」「よかった。この人はいい人だ」と安心させて信用させる手管。
そして次から次へと電話を入れて考える暇を与えない策略。母の場合も10時から14時までに5本くらいの電話を受けている。普段そんなテンポで暮らしていない人にとってついて行くだけで精一杯。
そして騙される側もクレジットカードやキャッシュカードの仕組みを知らない。母に新規に口座を作るなら本人が銀行に行かないと無理だよと説明したら「そんなに面倒臭いの?」と聞かれた。口座を開いたのが昔過ぎて覚えていないようだ。

とはいえ、私だっていつ騙されるかわからない。さすがに今回のストーリーではないと思うけれど、普通じゃない精神状態に置かれた場合、冷静な判断ができなくなることは、誰にでも起こること。
騙されないためには、まずは深呼吸して普通じゃない精神状態から戻ることが大切なような気がする。