詐欺その22017年09月17日 22:55

詐欺にあってから落ち込んでいた母が新しい電話機や洗濯機を購入してようやく元気になった。やはり女は買い物で元気になる。

今回の詐欺を振り返ってどこで気がつくべきか考えてみた。

まず百貨店からの電話。「頼まれて買い物にきた人物がいる」「最近不正が多いので高額の買い物については確認している」と言われたらしいが、そもそも百貨店のカードでも本人がサインしないと使えないのだから頼まれて買い物にきて母のカードを使おうとしたというシチュエーションは間違っている。

その後の警察の電話。犯人が誰でどこに住んでいて兄弟はこんな人がいてという話をしたらしいが、警察がそんなことを教えてくれるわけがない。警察はそんなに暇ではない。それにそんなに流暢に話す警察官も少ないはず。

そして全国銀行協会の電話。「クレジットカードが不正に使われたので新規口座を作る」これは全く間違っている。クレジットカードが不正に使われたら、自分でクレジットカード会社に電話してストップする必要がある。引き落とし口座は関係ない。
そもそも一般の人は全国銀行協会の存在を知らない。うちに来た警察官ですら「これは架空の団体です」と言い切っていたので「いや、これあります」と私が訂正したくらい。

そして全国銀行協会の人間が書類を届けに行くというシチュエーション。全国銀行協会はメガバンクが持ち回りで会長を出している団体で、プロパーの人もいるにはいるけど極少数。個人の自宅を訪ねに行くほど人がいない。
加えて複数の銀行のキャッシュカードを預かって新規に口座を作るというシチュエーション。そもそも銀行口座を作るのは本人でないと無理。今はマネロンがうるさいので本人確認書類が絶対必要。
さらに新しい暗証番号を電話で聞くというシチュエーション。暗証番号は人に知られないようにするはず。

このように詐欺グループのストーリーは穴だらけ。でも実際には騙される人が母を含めて大勢いる。

「自分のカードが不正に使われそうになった」という事態に気が動転。「でも未然に防いでくれた」「よかった。この人はいい人だ」と安心させて信用させる手管。
そして次から次へと電話を入れて考える暇を与えない策略。母の場合も10時から14時までに5本くらいの電話を受けている。普段そんなテンポで暮らしていない人にとってついて行くだけで精一杯。
そして騙される側もクレジットカードやキャッシュカードの仕組みを知らない。母に新規に口座を作るなら本人が銀行に行かないと無理だよと説明したら「そんなに面倒臭いの?」と聞かれた。口座を開いたのが昔過ぎて覚えていないようだ。

とはいえ、私だっていつ騙されるかわからない。さすがに今回のストーリーではないと思うけれど、普通じゃない精神状態に置かれた場合、冷静な判断ができなくなることは、誰にでも起こること。
騙されないためには、まずは深呼吸して普通じゃない精神状態から戻ることが大切なような気がする。

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